2020年07月04日

虎頭埤−1

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【写真説明】左写真は虎頭埤風景区の正面ゲート、虎頭埤の西端になる。そのゲートに向かい右側から南側に入り込む路地がありそこを伝い抜けると小さな街並みに出るが、そこに中央写真に写る大鳥居が立っている。その小さな街並みの風景に完全に同化している様に驚いた。嘗ての新化神社の入口になる。本殿に至るには風景区敷地内に入る、つまり入場料を支払う必要あり。大鳥居と本殿を繋ぐ旧参道の途中、詰り、風景区敷地内外を結ぶ敷地外側に太鼓橋が残っている。今回の投稿本文に虎頭埤並びに周辺の日本時代の遺物第1号を紹介してあるが、新化神社関連遺物はその第2号であり、風景区敷地内にも神社遺構は残る。
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2020年07月11日

虎頭埤−2

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【写真説明】前回記事虎頭埤風景区内外の日本時代遺物第2号として、新化神社の風景区外の遺構を紹介したが、今回は、風景区内にある同神社遺構を紹介する。正面ゲートをくぐり直ぐ左手にある。左写真は本殿への階段と思われる。中央写真は、現場の案内板に依ると「新化神社-神明避難所遺構」、詰り、祭神の防空壕である。右写真は同遺構の上部。その案内板の拙訳は以下の通り:

新化神社は、昭和18年(1943年)、第二次世界大戦(筆者註:大東亜戦争)末期に竣工された。日本時代に台湾各地に建立された神社の中で、同様の地下室遺構を有するものは、台湾神社(台北市円山付近)とこの新化神社のみである。驚くべきことに、日本でも類似の遺構は稀で、歴史遺産として保存する価値がある。新化神社の「地下室神明避難所」としてその構造が最も特殊な部分は、地形の高低差を利用し地下室を設け、その地下室と屋上を結ぶ階段を設営、地下室入口は切石割の土塀で囲み、屋上には洗い出し石材(筆者註:台湾国語では「洗石子」、天然石材の人造代替石材の一種)に依る欄干が敷設されている点である。

さて、ここで虎頭埤の所在地である新化の地名の起こりを、『臺灣地名研究』依り抜粋しておく:

大正九年大目降を、鄭氏時代に設けた堡名新化里に因み新化と改めた。シライヤ族タヴオカン社(蘭人のTavokang)のあった所で、西暦一六○○年代に和蘭人によって教化に着手され、次で明末鄭氏の時代には開化の地となり、清領の当初大目降荘(後の大穆降庄)と称した。大目降は即ちタヴオカンの蕃社名に宛てた近音訳字で、大目降は木岡(ボクコン)とも称した。後移民が漸く多く商民集中の区となり大目降街を形成する。 (続く)

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2020年07月18日

虎頭埤−3

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【写真説明】左写真は、もう一つの神社遺構である「新化社」の石柱、何の変哲も無い石柱に見えるが、日本時代の遺物である。中央写真は、虎頭埤の由縁たる虎頭山山頂近くの旧参道と灯篭。灯籠の残存状況は良い。右写真は新化社本殿階段。下掲写真は、虎頭山山頂の地籍三等三角点と休憩所。
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2020年07月25日

虎頭埤−4

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【写真説明】虎頭埤の周辺風景はこのくらいにして、そろそろ台湾最初のダム(台湾国語では「水庫」)の話に移ろうと思う。ダムと言っても発電所が併設されているわけではなく、虎頭埤を囲む堤防(台湾国語では「壩体」)と埤の水量を調節する大掛かりな機構から成り立っている。今に見るこれらの構造物の多くは日本時代の構建であるが、灌漑用水貯蔵機能としてのダムの先駆けは、道光26年(1846年)迄遡る。その後、同治2年(1863年)に拡張工事を行っている。正面ゲートは埤の最南端に付いており、ここを潜った後、右回り、つまり東側に堤防脇の歩道を歩き出すと、少なくとも三つの日本時代の遺物に出会う。先ずは左写真の堤防に沿い敷設され鎖を渡した欄干、日本時代遺物第4号である。
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