


【写真説明】真我山登山口に至るには、茂林生態公園への数百メートルの道路を起点とした急勾配の農道を延々と辿る必要がある。一般車両は侵入禁止なので法律に忠実な輩は約五キロと想像されるこの道路を歩き通す必要があり、茂林村から真我山を目指すハイカーはそうしている模様だ。この農道は一本の単純な九十九折では無く、途中多数箇所で分岐しており、その分岐点ごとに、農道に沿った畑に栽培されているマンゴーの樹木に下がった登山布条(左写真例)を注意深く探す作業が必要だ。中央写真はコンクリートが敷かれた農道、やがて右写真のような土石が露出した路面に替わると真我山へ至る稜線も近くなる。
大津駐在所が現在の屏東県高樹郷、荖濃渓と濁口渓との出会辺り、或いは現在のマガ社たる高雄市茂林区茂林村辺りに設置されたと仮定すると、『台湾全覧』に記載された六亀警備道上の最南端の亀山駐在所間には、東海道五十三次道中の七宿に相当する駐在所が設置されたと推定すべきかもしれない。
茂林生態公園を起点とする農道は勾配が急な九十九折りは長く苦しかった。一般車両侵入禁止になっている農道は多少荒れてはいるが、途中に畑が続くので常時小型トラック、バイクで地元の人が入り込んでいるお陰で、実際は普通乗用車でも侵入可能である。但し、道路状況を鑑み適当な所に駐車する場所を判断するには難しい程度に荒れてはいる。
台湾ネット上で公開された真我山登山記録を参照すると、この途中までコンクリート道が延々と高度を稼ぎながらやがて舗装無しの土が露出した農道が、明確に登山道出入口と判る地点まで辿り付くまでの距離は4.5キロ、相当な時間を費やしたと記憶しているが、今、その間撮影した写真の時間を換算すると1時間15分しか掛かっていない。
その舗装無しの農道を登り詰めると、真我山を望める(これは件の登山記録に付与された写真の受け売り)農道が広く平坦になった場所に出る。そこにバイクが二台停めてあり、原住民の方が二人、農作業中。真我山の在処を訪ねると、その真我山が見える方向とは反対方向を指差し、半時間程度で行けると言う。俄かには信じ難かったが、その通り農道を辿ると直ぐに上述の登山口が見付かり、大喜び。更に筆者を喜ばせたは、そこは平坦地で石塁が残っていたことだ。明らかに、六亀警備道上の駐在所跡だと推察出来るが、では、そこまで歩いて来た農道が、嘗ての警備道、或いはその一部だったかどうか?は何の手掛かりも無い。
実は、この登山口、真我山ではなく、その南に位置する南真我山であることが程無くして判る。(続く)
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