2022年01月15日

六亀特別警備道−31:第53宿「大津」(2)

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【写真説明】左写真は茂林国家風景区の入口の大門、2001年5月、二十年前の撮影だが今もこのまま、この大門を潜る前に右側に遊楽客用の駐車場があり、そこが「大津」分遣所跡地であることが判明した。中央写真は前回「大津」投稿記事に掲載した中央写真と同じ位置から撮影したもの(2017年4月)だが、稜線突端の右側下に写る白い路側ガードの連続点の道路を隔て向い側が大津分遣所の特定点である。右写真は、GPS座標が示す大津分遣所跡地の大門横の駐車場、この稿を起こすに当たり今朝方片道60余`、約1時間のドライブの末の撮り下ろしである。大門の後方は六亀警備道最南端稜線の終端部分だ。下段左写真は風景区大門手前にあるビジターセンター傍の掲示板(2017年8月撮影)で、大津の跡地は上から二番目の駐車場(「P」)と三番目の障害者用駐車場の中間辺りに相当する。上段左写真の大門は「牌樓」と記されている。この案内図と同じ位置をグーグルマップで切り取ってみた。案内板地図と合わせる為に上を南にした。筆者がそれまで想定していた分遣所位置である大安禪寺と実際の位置は直線距離で300b程差がある。ところが、日本時代の地形図(下段右写真)だと大津は随分標高の高い所に表記されている。詰り、実際の位置は謎と云うことになろうか?

六亀特別警備道に関してはこれまで多数回投稿してきたのだが、同警備道上に配された合計58箇所の警察官吏駐在所遺構を摘まみ食い的に紹介して来た嫌いがある。理由は単純で、遺構の多さに比べ、筆者がこれまで踏査出来た部分が非常に少ないからである。少ない理由は特に2009年の八八水災以降この古道へのアクセスが極端に悪くなり、交通手段として四輪駆動に頼らざるを得ない状況になっているからである。藤枝国家森林遊楽区の10年にも渡る閉鎖期間の長さがそれを象徴している。他方、スマホ機能が急速に洗練されGPS座標をいとも簡単に取り扱えるようになるに連れ、58箇所の遺構位置情報がネット上で続々公開される状況が現出、踏査を至極便利に且つ安全に出来る様になって来たのも近年の大きな変化である。加えて、コロナ禍の影響で台湾のハイカーは急増し勢い六亀警備道に入り込む人々も増え、ネット上で公開される山行記録も豊富になった。以上のような状況下、筆者の方はどうしても交通手段の確保に呻吟していたのだが、昨年末から今年初頭に三日だけ踏査する機会に恵まれた。予てお世話になっている登山ガイドの方に同行して貰ったのだ。今回はその三日に渡る全踏査行を纏めて紹介する予定だ。今回の踏査を終え六亀警備道の全貌が大分見えて来たのだが、それらの事は追々紹介するとして、先ずは、筆者が兼ね兼ね特定に苦労して来た、誰でもアクセス出来るはずの三地点、終点「大津」、出発点「日本橋」、内本鹿警備道西段との連結点となる「藤枝」の位置情報を更新することから始めたいと思う。

先ずは前回記事をアップデートする形で、「大津」分遣所の位置について述べる。凡その位置に付いては特定した積りでいたのだが、GPS座標が得られず確証が無かった。最近になり『日本時代臺灣蕃地駐在所建築之体制與實務』(林宏一、中原大学、2017年)と題する論文を京都在住のM氏に紹介頂ける機会があった。その巻末に原住民居住区に於ける駐在所一覧があり、合計853箇所が網羅されている。驚くべきことに、それらの殆どにGPS座標が附されている。実際は、「蕃務官吏駐在所(1907〜1914年)」(明治40年〜大正2年)と「警察官吏駐在所(1913〜1941年)」(大正元年〜昭和16年)に分けられており、853箇所は後者の通し番号であるが、前者も同じ駐在所は後者と同じ通し番号で整理されている。「五箇年計画理蕃事業」執行時期を考慮すると、六亀警備道上の分遣所・警戒所は後者に属するが、58箇所全ては網羅されていない。但し、運良く長らく筆者を悩ませた前記の三箇所の分遣所は収録されており、GPS座標に加え位置に関する短いコメントも添えられている。「大津」に対しては「茂林風景区大門東側停車場(駐車場)」と記されGPS座標もピタリとその地点を指した。前回記事で紹介した筆者の想定していた位置とは大分ズレがあった。因みに、ウィキペディア中文版「六龜警備線」のリストでは「大津」の部分はGPS座標が提供されていない替わりに「疑似位於水泥階梯左側位置」(コンクリート階段の左側と思われる)と云う位置情報が附されているが、これでは皆目見当が付かない。「コンクリート階段」を求め再度つい先程現場に赴むいたのだが、跡地と思われる地点は国家風景区の駐車場の下敷きだ。(終り)

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posted by 玉山 at 11:04| 台北 ☁| Comment(0) | 六龜特別警備道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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