


【写真説明】現在は六亀警備道路の全段を便宜上南北の二つに分け、各々北段、南段と称している。筆者の記憶に依ると以前は存在していなかった呼称である。その分岐点が見附山、見附分遣所だ。日本橋を起点とする北段を通しで歩くのは最早困難だが、大津を終点とする南段は元々稜線上の山々を目指す登山道として利用されて来たので、通しで歩ける。見附山から南真我山までと云う意味だが、この間通常は丸々二日間かかるが、一日で歩き通してしまう猛者もいる。見附山は単独でも良く登られているのを筆者が知ったのはつい最近のことだ。藤枝国家森林遊楽区を起点とする出雲山林道(筆者の手元の地図帳では「支線」。「旧線」と云う表現も有り)を南側に辿ること3.5`の地点に見附山への登山口があり、登り始めるとすぐに第26宿「掛川」分遣所遺構に出遭う。詰り、この3.5`の間に表題の三分遣所が存在していたことになるのだが、林道は、これら分遣所が設置されていたと思われる稜線西側に開鑿されている(ダイヤグラム参照)。この林道区間、見附山登山口に向かい緩やかな下り一方、往きは良い良い、帰りは怖いの典型で、帰りの登り返しは苦痛!左写真は林道上から仰ぐ藤枝分遣所跡地の森濤派出所である。林道東側を注意深く観察していたが、稜線への取り付きになりそうな場所は多かれど(中央写真)、布条等の物理的なサイン無し。台湾ネット上で唯一六亀警備道関連遺跡と思われる情報を含む山行記録は『高雄縣桃源郷天通北峰及天通山登山簡訊』である。天通北峰(標高1,647b)、天通山(同1,549b)の順に辿り、天通山山頂南側に住居跡地の記録あり(抜粋参照)。これが掛川分遣所との距離を考慮すると日坂分遣所跡地である可能性大だ。他方、藤枝森林遊楽区入口と天通山山頂間稜線上に島田、金谷の分遣所が設置されたはずだが、それら故地の位置情報は未だ見付けられていない。右写真は出雲山林道支線上の見附山登山口付近、実際の登山口は同写真の左側。(続く)
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